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自己集合の美

住人:自己集合の美

“Self-assembly of tetravalent Goldberg polyhedra from 144 small components” Fujita et al., Nature 540: 563-566 (2016)

住人INFORMATION
限られた種類の小さな分子が自然に集まって、秩序だった構造を作り上げる現象には驚かされます。この報告では、化学的な手法で、幾何学的構造の分子複合体を作り上げることに成功しています。構成単位は金属イオン(M:4価の頂点に相当)と有機リガンド(L:辺に相当)。溶媒中で自己集合して、90成分からなる複合体M3060が形成されました。その構造は、分子形状としてはとても珍しい4価ゴールドバーグの立体であることが分り、しかも鏡像体のある形でした(tet-G(2,1)、Ⅲ型)。著者らは、幾何学的な法則性からさらに大きな複合体を予測し、期待通り144成分からなる複合体M48L96を得ています(tet-G(2,2)、II型)。自己集合で作られる形は、熱力学的に安定です。対称性の高い幾何学的構造はおそらく安定であり、巨大な分子複合体を作りだす上で重要な手がかりになりそうです。
部屋番号:V30[430]F32[38424]

四価ゴールドバーグの立体* tet-G(2,1), or GC2,1(Octahedron)

構造INFORMATION
正八面体のゴールドバーグ・コクセターコンストラクション*による立体。四価で三角形と四角形からなる八面体対称の立体です。三角形は常に8つです。三角形の位置はちょうど立方体の頂点部分にあたり、その間を四角形で均等に埋めた形です。一つの三角形をスタートして、隣り合う面づたいにm面直進し、90度向きを変えてn面直進すると、最寄りの三角形にたどり着きます。このとき、I型はmまたは n=0、II型はm=n、III型はm≠nです。III型のみ鏡像体があり、ねじれた外観です(右巻きと左巻き)。馴染み深い三角形と四角形でできる形ですが、四価ゴールドバーグの立体は普段目にすることはありません。対称性の高い美しい立体で、特にII型とIII型が面白いです。
* これらの語句は説明のために用いていますが、厳密には正確ではないかもしれません。次の文献が参考になります。Brinkmann et al., Proceedings Royal Society A 473: 20170267 (2017)

多面体アパート

Class: 4deg 3gon 4gon

 

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